人生を変えてくれたペンギン

海辺で君を見つけた日 by トム・ミッチェル

なんだか自己啓発本みたいな邦題ですが、原題も実際にThe Penguin Lessons: A True Storyとか、What I Learned from a Remarkable Birdとか。

ハーパーコリンズから出ているこの本、紙媒体はかなり早くにAmazonと楽天から消えてしまい、中古が割高で売られていますが、私は本屋で見つけました。あんまり早くに高値つけて転売して儲けている人見るとちょっと腹が立つ。

まぁそれは置いておいて、この本はまだインターネットもない時代に、冒険を求めてアルゼンチンの教職に就いたイギリス人の著者トム・ミッチェルが、ウルグアイの海岸で重油にまみれながらも生き残っていたペンギンを助けたことから始まるペンギンとの暮らしの回想録。偶然と幸運が重なって国境を越えアルゼンチンに戻り、職場の学校の屋上でひとまず暮らすことになったペンギン。彼はフアン・サルヴァドール・ペングィーノ、またはファン・サルヴァド(救われた人)と呼ばれ、その見た目と振る舞いから「聞き上手」な話し相手として生徒や職員に受け入れられる。

とても昔の話なので、出会いとその後の暮らしだけでなく、別れについても書かれています。電車の中で最後の方を読むのはちょっと危険です。トム・ミッチェルは回想の中で、果たしてペンギンを一羽だけ拾ってきた自分の行動が正しかったのか自問しています。でも、一羽だけでは生きていけないペンギンを見殺しにするより、多少の危険をおかしながらも救ってしまった彼の行動には共感できます。それに、その後も単に興味本位でペットとして飼うのではなく、動物園や他の海岸など引取先、解放先を検討する努力も惜しまなかったのだから。

邦訳は各章にかわいいペンギンのイラストが入っているのだけど、本でも触れられていた、わずかに残っていたというファン・サルヴァドの映像がこちら。

本を読んでいる間は感情をおさえようとしたけれど、これだけで十分泣けてしまった私…。

ちなみに、原書にはオーディオブックもあります。朗読者は俳優のビル・ナイ。海外のオーディオブックはしばしば有名な俳優さんが手がけているので要チェック。YouTubeに抜粋があったので載せておきます。

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