パールとスターシャ

by アフィニティ・コナー

アウシュヴィッツの「死の天使」メンゲレのもとに送られた双子、パールとスターシャの物語。本屋でアンソニー・ドーアの賛辞に気づいて衝動買いした本だけど、彼の著書にも通じる美しさと丁寧な積み重ねを感じる物語だった。

フィクションだけど、メンゲレ以外にも、実際のアウシュヴィッツの生存者をモデルにした人物が出てくる。パールとスターシャにも、実在の双子のエピソードが少し盛り込まれている。とりあえず、この本は、こういう著者に会えた記念としてもずっと手元に置いておく。

次に読むのは、「ヨーゼフ・メンゲレの逃亡」。

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Bohemian Rhapsody

急遽思い立ち、友人と「ボヘミアン・ラプソディ」の応援上映に行ってきました。前日に予約した時はあまり埋まっていなかった席も満席に近かったけど、友人曰くライブドキュメンタリーの爆音上映では仮装してる人がいたそう。笑

友人の提案でプレミアムボックスシートにしたら、隣の席との間に荷物置きと衝立があって、あれはひとりで映画見に行く人にはすごくいいかも。

肝心の映画。これブライアン・シンガー監督だったのか。しかも主演がMR. ROBOTのラミ・マレック。映画情報にだいぶ疎くなっていた私が急に映画世界に引き戻された感じ。そもそも映画館で映画見るのどれくらいぶりかしら。ストーリー的なところは、長いクィーンの歴史をぎゅっと集約しすぎて、本来なら映画の方がわざとドラマティックに描くものだろうに、「実際はもっといろいろあっただろうな」と思ってしまう感じ。でもライブシーンは音響のいいスクリーンで観られて本当によかった。音響が素晴らしすぎて、みんなで応援している音なのか映画の観客の音なのかわからない感じ、そんなにはっちゃけた応援上映じゃなかったから初見の私には有り難かった。私にとってクィーンは、楽曲にはとても魅かれるけれど私生活の方まで調べたくなるようなハマり方ではないバンド、だったりする。(というか、好きなバンドはだいたい「曲」にしか関心がない…そこが俳優にハマるのと違うところ)

猫飼う前ならなんとも思わなかっただろうけど、フレディの飼い猫たちについ目が行ってしまった。笑 正直なところラミ・マレックの歯のメイクはやりすぎかなぁ。もともと目がでかい俳優さんだから、顔に占める目と歯の割合が本人よりも多すぎて、下手すると笑いを誘ってしまう。

クィーンを以前から知っている人は、ついそんな余計なところに目が行くかもだけど、クィーンの曲は素晴らしいし、最後のライブ・エイドの再現は圧巻。音楽を大切にしている映画はやっぱり映画館で観るの臨場感があっていいと思います。

クィーンのアルパム、ベスト盤買おうかな。


100年後の世界

SF映画から考える100年後のテクノロジーと社会の未来

著者は鈴木貴之氏。哲学者だそうです。

副題のとおり、各章の冒頭に少し懐かしいものも含めてSF映画が紹介され、そこに出てくるテクノロジーをもとに今後どのように科学が進歩するか、その扱いはどうすべきかを問うことで終わっている。哲学者の書かれた本なので、倫理的、合理的、さまざまな理由からテクノロジーの進化の方向や扱い方を「考えさせる」内容になっている。

「ガタカ」が紹介されている章があったので、つい買ってしまったのだけど、どの章も「結論」はないので、もやもやしたまま終わる感じではある。そのテクノロジーに関する他の書籍もやまのように紹介されているのは面白いんだけど、こういう本って、発行された時点ですでに技術の陳腐化、進化が進んでしまっているから辛いなぁ。ずーっと手元に置いておく本ではないな、と思った。

影の子

デイヴィッド・ヤング

原題はStasi Child、シュダージのこども。1970年代、女性刑事がシュタージと異例の合同捜査を行い、惨殺された少女の身元と犯人を捜す、というあらすじ。東ベルリンが舞台とあって、その昔ベルリンの壁の上を歩いたことのある私としては見逃せず読んでみた。フィクションだけれど、実際にあったことをヒントに描かれていることもあるそうで、まぁシュタージの支配する世の中の辛さ、気味悪さはよく再現されていると思う。だからあんまり読後感はよくない。なにせ東ドイツはこの物語のあとまだ10年以上も壁を守ったわけだから。

残念ながら、主人公の女性刑事にあんまり感情移入できなかった。シリーズ化されて、すでにあと2冊出ているようなんだけど、翻訳が出ても買わないかなぁ。

ヌヌ 完璧なベビーシッター

気になる本。というのも、日経の書評の冒頭にルース・レンデル「ロウフィールド館の惨劇」からの引用があったから。

ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである

レイラ・スリマニのこの本も、こんな一文から始まるとある。

赤ん坊は死んだ。ほんの数秒で事足りた。

ゴンクール賞を獲得したというこの本、レンデルに比されるなら読んでみたい。

…で、読んでみました。(2018年6月17日追記)


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