カッコーの歌 Cuckoo Song

by フランシス・ハーディング

カッコーの歌

「嘘の木」の前に書かれたファンタジー色の強い作品。ヤング・アダルト向けかファンタジー好きが対象だから、と読まないと損してしまう重厚さを感じる。

「嘘の木」でも主人公の思いや周りをとりまく厳しい現実が子供向けというには重いものだったけど、こちらも意外な主人公かも。彼女の「私はいったい誰」という疑問に、読む方も一緒に頭を悩ませる。

主人公のトリスは11歳、妹のペンは9歳で、11歳や9歳ってこんなにおとなびているのかな、とか、それなりに財力のある家のお嬢さんであるペンがフラフラと街を出歩いているのはおかしくないのかな、とも思うけど。ただ、彼女たちの姉妹仲の描写は、きょうだい、特に姉妹には「あるある」と思うんじゃなかろうか。笑 今でこそ私も妹とは仲良くやってるけど、こどものときは性格も違うしひどかったなぁ。私の方が結構年上なので、叱られることも多かったけど頭の回転とずる賢さでは年齢の分、上だった。笑

読んでいると映像が浮かんでくるのは「嘘の木」以上。これ、IMDbにページがあって、TVシリーズ化の企画があるみたい。絶対観たい。

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ノーラ・ウェブスター

コルム・トビーン

夫に先立たれた46歳の主婦、ノーラ・ウェブスター。以前はミステリかSFばかり読んでいたけれど、最近はこういう、一見なにも起こらない日常の中のきめこまやかな心情の移り変わりを描いたような小説がとても面白く感じる。著者の自伝的小説、とはいえ、母にあたる女性の想いの描き方が素晴らしい。ちょっとしたことにイライラや不愉快を覚えたり、ほっとしたり、というノーラの心にいつのまにか引き込まれていく感じ。